2015年11月29日日曜日

三面記事

とるに足らない、三面記事だ。
こういうことも、多々、あるであろう。
いろいろな人が、このニッポンという国土ののうえで、息をしている。
なかには、「うかつ」な人もいる。
否、人間そのものが「うかつ」であると言っても過言ではない。
ミスをしたことのない人の例を、自分はきいたことがない。
 
 
28日午前11時50分ごろ、愛知県春日井市のアパートに住む会社員・岩下佑也さん(28)方で、岩下さんの妻(22)から「娘が風呂で溺れた」と119番通報があった。春日井署によると、到着した救護隊が10か月の長女・海詩(うた)ちゃんを病院に緊急搬送したが、心肺停止状態という。

 妻は、午前11時40分ごろ、深さ約5センチの湯を張った浴槽に子供2人を入れて近所のコンビニに買い物に行くため、外出した。約5分後に戻ると、湯が深さ25センチにまで増え、海詩ちゃんがぐったりしていたという。長男は立ち上がっていて無事だった。

 同署は、妻が湯を止め忘れたか、海詩ちゃんや一緒に浴槽内にいた1歳の長男が風呂の操作パネルに手を触れたことで、湯が増えてしまった可能性があるとみて、捜査を続けている。妻は「子供たちを浴槽に入れておけば外に出ないので安全だと思った」と話しているという。佑也さんは仕事に出ていて不在だった。
「うかつさ」が重大な結果となった。
この母親の、今の悲惨な心境は、察するにあまりある。
一生、この十字架を、背負っていかなければならないだろう。
あまりの、「救いのなさ」に、言葉を失ってしまう。

しかし、悲しいかな、確信するのは、この母親の「うかつさ」に対する、バッシングが加えられることが、ある程度、予想されることだ。

「どうして風呂からあげて外出しなかったのか」
「母親の資格はない」
「そもそも赤ちゃんから目を離すとは言語道断」
「危機意識があまりに希薄」

反論のしようのない文言が並ぶことが、今から目に見えるようだ。
「馬鹿な母親、でも自分は賢い」という、倒錯した優越感も、少なからず惹起されるだろう。

人に言われるでもなく、この悲劇で、じゅうぶん、母親は打ちのめされている。
記事にすることで、さらにそういう「鞭を打つ行為」を誘発することに、自分は疑問を感じる。

しかし、この記事によって、「絶対に乳児から目を離してはいけない」という警告は発することができる。

であるのなら、この手の記事にコメントするのなら、その面にだけにするべきだと思う。やたら、「うかつな母親」を叩いても、なんの生産性もない。

そういう自分は、甘すぎるのだろうかとも、思いつつ。






   
 
 
 

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