2015年11月26日木曜日

極右政権誕生の淵源

前回の記事の続き、あるいは補足のようになるかもしれない。
毎日新聞の岸井成格氏が、戦争法案にかんする一連の発言のせいで、「NEWS23」を降板させられるかもしれない件だが、押さえておかなければればならないことがあった。

この人物が、朝日の星浩や、読売の橋本五郎、共同通信の後藤謙次などの「政治記者」と並んで、2009~10年の間、記者クラブメディアがスクラムを組んで行った「小沢バッシング」の急先鋒であったということだ。
当時の拙ブログの記事の一部を、再録してみる。

岸井成格氏と言えば、言わずと知れた毎日新聞の特別編集委員である。
TBSの各ニュースワイドショーに頻繁に出演し、とくにみのもんたの「朝ズバッ」では、いつも電波芸者風情の粗雑な放言をフォローし、ヨイショしている情けない男である。
「陸山会事件」で騒然としていた今年の1月10日、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」に出演し、「関係者」からの「リーク」報道について問いただされると、「検察に記者が質問をしても、検察は核心に迫る発言はしない。記者は、その時の検察の顔色を読んで、本当かどうかの記事を書く」と、仰天すべきことをのたまった人物でもある。
これは、「日本の記者は、客観報道よりも自らの感得したことを記事にする『主観報道』を採用している」と、正直な告白をしたことになる。
                     (世に噛む日日 2010.5.18)
 
岸井氏といえば、この「顔色を読む」発言が、真っ先に思い浮かんでくる。
あの頃、悪しき記者クラブメディアの旧弊に染まった記者の代表のひとりとして、しっかりと頭に刻みこむきっかけとなった。
話す内容も、「政局を読む」といったたぐいの与太ばなしでしかないように感じていた。
 
しかし、近年、戦争法案が重要なテーマとなってくるにつれ、このひとは正論を吐くようになった。
毎日のなかでも保守的と言われていたらしいが、なにか、心境の変化があったのか、もともと、こういう信念の持ち主だったのか。
 
今の極右政権を生み出した淵源のひとつは、間違いなく、民主党政権の成立にあった。
というより、「小沢叩き」で、検察とともに、政権交代の果実を踏み潰す先兵となった記者クラブメディアの愚行にあった。
その中心となった岸井氏に、その自覚があるのだろうか。
一度、きいてみたいものだ。
 
 
 

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